不動産から、
被災地の未来をつなぐ。
私は仕事で、日本全国をまわっています。
都市部の再建築不可物件から、地方の空き家、農地、山林、誰も買い手が見つからない土地まで。
そのため、観光ではまず訪れることのない町へ行くことも少なくありません。
そこで目にするのは、不動産だけではありません。
その土地で暮らす人。
商売を続ける人。
故郷を離れた人。
それでも故郷を守ろうとしている人。
そして、災害の傷跡が残る地域にも何度も足を運んできました。
現地を歩いていると、地図やニュースを見ているだけでは分からないことがあります。
災害によって建物が失われても、土地は残ります。
人が離れれば空き家や空き地が増え、やがて所有者自身も「この不動産をどうしたらいいのだろう」と悩むようになります。
そして、不動産が動かなくなることは、その土地から人の流れが失われていくことにもつながります。
私は不動産会社を経営しています。
だから、私たちにできる復興支援は何だろうと考えました。
大きなことはできないかもしれません。
でも、不動産屋だからできることがあります。
「いらない不動産」を、「ここで何かを始めたい人」へ。
不動産ポストは、不動産を手放したい人と、その不動産を引き継ぎたい人が出会うための場所です。
被災地にも、
「もう自分では管理できない」
「相続したけれど遠方に住んでいる」
「子どもには負担を残したくない」
そんな不動産があります。
一方で、
「この町で暮らしてみたい」
「小さなお店を始めたい」
「農業をやってみたい」
「地域のために何かしたい」
「この土地にもう一度、人が集まる場所をつくりたい」
そんな人もいるはずです。
その二人が出会えば、一つの空き家、一つの土地から、小さな復興が始まるかもしれません。
不動産の価値は、価格だけではありません。
私は全国の「売れない」と言われる不動産を見てきました。
市場価格がほとんどつかない土地もあります。
建物として評価されない古い空き家もあります。
でも、だからといって、その不動産に価値がないとは思いません。
誰かにとって不要になった不動産が、別の誰かにとっては新しい人生を始める場所になることがあります。
私たちは、そんな場面を実際に見てきました。
だから私は、
「売れない不動産」と「価値のない不動産」は違う
と思っています。
被災地に必要なのは、不動産の値上がりではなく「次の担い手」。
被災地の不動産を安く買って、高く売る。
私たちが目指しているのは、そんな仕組みではありません。
大切なのは、その土地を次に誰が使うのか。
人が住む。
店を開く。
仕事を始める。
農地を耕す。
地域に通う。
そして、その地域を好きになる。
一つひとつは小さな出来事かもしれません。
でも、それが10件、100件と増えていけば、地域に新しい人の流れが生まれます。
不動産ポストがつくりたいのは、その最初のきっかけです。
災害の記憶を忘れず、その先の未来へ。
被災地を訪れるたびに思います。
復興とは、建物や道路を元に戻すことだけではない。
そこで暮らす人が未来を描けること。
地域に仕事があること。
外から人が訪れること。
そして、その土地の歴史や文化、災害の記憶を次の世代へ引き継いでいくこと。
それも復興なのだと思います。
だから不動産ポストでは、物件情報だけを掲載するつもりはありません。
その町がどんな場所なのか。
どんな人たちが暮らしているのか。
何を食べ、何をつくり、どんな文化を守っているのか。
そして、災害からどのように立ち上がってきたのか。
地域そのものを伝えていきたいと思っています。
私たちは、不動産屋だからできる復興支援を続けます。
日本全国をまわっていると、本当に素晴らしい町にたくさん出会います。
人口が減っている町もあります。
空き家が増えている町もあります。
大きな災害を経験した町もあります。
でも、そこには必ず人がいて、歴史があり、暮らしがあります。
私たちは、不動産を単なる「土地と建物」として見るのではなく、
人から人へ、地域の未来をつなぐもの
として考えていきたい。
あなたにとって役目を終えた不動産が、誰かの新しいスタートになるかもしれない。
一つの空き家に明かりが灯ること。
一つの空き店舗に新しい看板が掛かること。
一つの土地で新しい仕事が始まること。
そんな小さな変化の積み重ねが、地域の未来につながっていくと私たちは信じています。
災害で価値を失ったように見える不動産を、地域の未来へ。
被災地に、新しい人の流れを。
それが、不動産ポストが取り組む「不動産から始める震災復興支援」です。
株式会社リライト
代表取締役 田中 裕治